注文住宅を建てたくなったり、興味がでてきたときに多くの方がネットや書籍、雑誌などで住宅について調べるのではないでしょうか。私自身も住宅雑誌を購入して知識を入れ、ネットで間取りや設備などを検索して調べていました。
しかし、住宅雑誌は幅広くテーマを取り扱っているので1つ1つの内容が深くまで掘り下げられていなかったり、ネットでは情報がありすぎて迷いや混乱が生じてしまい、理想の住宅の方向性が定まらないといったことに陥ってしまいました。
そこで私は書籍をお薦めします。できれば1つのテーマに絞られている書籍を複数組み合わせて読んでいただくと良いです。テーマが絞られていることにより内容もより深いものになっていて知識も増えますし、自身が建てたい理想の住宅の道しるべになってくれると思います。
これから注文住宅を建てようと考えている方に、ぜひ読んでいただきたい書籍を3冊ご紹介します。これらの書籍を読めば住宅に関するお金のことや理想の間取り、住宅を建てるときの考え方などの知識を手に入れることができます。この記事が少しでも参考になれば幸いです。
家づくりのお金の話がぜんぶわかる本
住宅のお金の基礎知識から住宅完成後にかかる費用までを解説
この一冊に住宅にかかるお金のことが網羅的に書かれています。住宅建築にかかる費用や住宅ローンはもちろんのこと、意外と忘れがちな住宅を維持していくためにかかる費用など、詳細に書かれているので綿密な資金計画が立てられます。
読みどころポイント
住宅取得にかかる費用の基本知識、土地取得費用や建築費用、住宅ローンなどを理解できる
住宅取得には多くのステップや資金の流れがあり、各ステップごとにどんな費用がかかるのか解説されています。
例えば土地選びの場合、土地の場所や形状、方角、地盤改良の有無での費用の違いであったり、住宅の場合は同じ施工面積であっても、シンプルなプランと複雑なプランでは費用に大きな差が出てきます。
イニシャルコスト、ランニングコスト、ライフサイクルコストが表によってわかりやすい
イニシャルコスト(住宅建築にかかる初期費用)も大事ですが、家のメンテナンスにかかるランニングコストにも気を付ける必要があります。イニシャルコストとランニングコストを合わせてライフサイクルコストと呼ばれます。
イニシャルコスト | 住宅建築にかかる費用 | 初期建築費用 |
ランニングコスト | 住み始めてから必要な費用 | 光熱費、火災保険、税金、メンテナンス費用など |
ライフサイクルコスト | イニシャルコストとランニングコストを合わせた家に住むために必要な費用 | 初期建築費+ランニングコスト |
ランニングコストは将来にわたってかかってくるものです。何年後に何がどれくらい費用が必要なのかを表によってまとめられているので、とてもわかりやすいです。例えば外壁材では、窯業系サイディング、ガルバリウム鋼板、モルタル吹付などがあります。
種類 | 初期費用 | メンテナンス周期 | メンテナンス費用 |
---|---|---|---|
窯業系サイディング | 5500円/㎡ | 約15年で表面塗装、30年で張り替え | 塗装70〜90万円、張り替え100〜200万円 |
ガルバリウム鋼板 | 9000円/㎡ | 約20年で表面塗装、50年で張り替え | 塗装70〜90万円、張り替え200〜300万円 |
モルタル吹付 | 9000円/㎡ | 約15年で表面塗装、30年で張り替え | 塗装70〜90万円、張り替え300〜400万円 |
ライフサイクルコストは住宅性能で大きく変わってきます。一般住宅と高性能住宅、ローコスト住宅を比べるとイニシャルコストはローコスト住宅の方が抑えられますが、高性能住宅に比べて光熱費や修繕費などのランニングコストが高額になります。
自分に合った住宅ローンの借り方、返し方が見つかる
住宅購入をする場合、ほとんどの方は住宅ローンを利用されると思います。借入金融機関の種類から金利タイプのメリット&デメリット、具体的な借入金額を用いての返済シュミレーションなどがあるので自分に合った住宅ローンの種類や返済方法などが見つかります。
住宅ローンの返済が難しくなった場合の対処法も解説されています。もしもの時のことも考えておく必要はあります。
これから家づくりを考えている方には必須な知識になります。
好きな間取りが絶対見つかる図鑑
間取りのアイデアが詰まった一冊
注文住宅を建てる際に間取りで迷う方は多いのではないでしょうか。この一冊を読めば間取りのアイデアやヒントが見つかります。紹介されている間取りは50種類あり、リビング編やキッチン編などのテーマ別になっているので自身の目的にあった間取りを探すことも簡単です。
読みどころポイント
オールカラーでわかりやすく、楽しみながら読み進められる
間取りはイラストでオールカラー。見た目もわかりやすく、実際の生活模様も描かれているので想像がしやすいです。
テーマ別の間取りの提案
リビング・ダイニング編やキッチン編、趣味・ペット編など7つのテーマに分けられているので自分の生活に合わせた間取りのヒント、収納の工夫が見つかります。特に趣味がある方のスペースや収納の工夫、ペットを飼われている方のお手入れのスペースやペットグッズの収納は参考になります。
「百聞は一見にしかず」色々な間取りがあるので、実際に見ていただきたいです。
後悔しない家づくりのすべて
後悔しない家づくりの考え方を一級建築士の目線から提案
一級建築士事務所「ゲゲ」の代表でyoutubeチャンネル「ゲゲ」も運営している金谷尚大さんが出された書籍になります。大手ハウスメーカー勤務を経て独立。多くの方の家づくりに携わってきた経験をもとに、「後悔しない家づくりのポイント」をまとめています。
読みどころポイント
自分の生活に合った「ほしい家」より「ほしい暮らし」の家づくり
家を建てるときにデザインであったり、広さや間取りばかり真っ先に考えがちですが、建てた家で「何をしたいのか」「どう暮らしていきたいのか」を具体的に考えることが大事だといいます。ぼんやりとした考えで進めてしまうと迷いや後悔のもとになってしまいます。
家を建てることだけを目的にせず、その後の暮らしを豊かなものにするためにはどうしたらいいかを考えさせてくれます。
今までの家づくりの常識とは違った視点からの提案
「家は広い方がいい」「リビングは南向き」「2階にバルコニー」など今まで普通であろうと思っていたことに囚われない家づくりをコスト面や性能、構造面などをもとに提案しています。
例えば、家が広い場合は多くのコストがかかってきます。
- 建築費用がかかる
- 光熱費がかかる
- 掃除が大変
- メンテナンス費用がかかる
「後悔しない家づくりのすべて」では必要最小限の小さな家を推奨しています。必要最小限の小さな家なら建築費用を家の性能アップにまわせて、かつランニングコストも抑えられます。
「2階のバルコニー」も同様に初期設置費用や防水処理のメンテナンス費用が必要になってきますし、ルーフバルコニーの場合は1階の断熱性能、気密性能に大きく関わってきます。メンテナンスを怠れば雨漏りのリスクにもさらされます。
バルコニーを設置しない場合は、外壁に設置する物干しバーや浴室乾燥機、部屋干しスペースを設けることで代用できます。
固定観念をなくすことで、余分なコストを減らし家の性能を高め、長く快適に暮らすことができます。
【注文住宅を建てる前に読んでおきたい書籍】まとめ
書籍を3冊紹介してきました。家づくりの基本的なところは掴めるのではないかと思います。住宅取得に関する費用は必ず押さえておきたいところですし、間取りのアイデア、後悔しないための考え方はとても参考になります。ぜひお手にとって読んでみてください。
紹介した書籍以外にも書店に足を運べば、住宅に関する書籍はたくさんあります。家づくりに比べれば書籍は数千円で手に入れることができます。一生に一度あるかないかの大きな買い物で後悔しないためにも、気になるものがあれば積極的に手にとって読んでいただきたいです。
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